98年2月、山口市内にビジネスキャンパスとよばれる新社屋を建て、本社を宇部市から移転した。宇部空港から車で約30分、住宅地から離れた工業団地の一画に、約2万9000坪の敷地面積をもつ。敷地内には事務所棟、宿泊棟、会議棟、食堂のほか、体育館、スポーツジム、野球グラウンド、陸上トラック、テニスコートなどが完備している。宇部に本社があったころ、「日経ビジネス」の編集長がY社長にインタビューを行っているが、傍白(後記)でこう述べている。「宇部空港でタクシーに乗り「ファーストリテイリングの本社」というと、運転手さんに首をかしげられました。たどり着いた本社は、入り口に大きな看板があるわけでもなく、注意しないと通り過ぎてしまうところでした。「ユニクロ」というユニークなカジュアルウエアの店を年間50店のペースで出店しているファッション・流通業界の革命児は、地元での地名度の低さにはまったくこだわりません。Y氏にとって東京に本社をおく必要はないが、宇部市に本社があることも「たまたま」なのです。アメリカでデザインし、アジアでつくり、世界で売ることを考える彼にとって、国や地元は意識の外にあるようです。